この意見には私も同感である。 信長にリーダー術を学ぼうとする人は多いかもしれないが、本気で信長に仕えたいと思う人は果たして何人いるだろう。
信長は部下をまるで牛馬のように機能としてしか扱わないからたまったものではない。 ヘトヘトになるまでこき使われる。
手柄を挙げれば出世は早いが、その代わりご用済みになれば、たちまち放り出されてしまう。 家康はあまりに官僚的で陰気臭い。
他人の功利性に用心深いし、三河家臣団以外は心底で信用しない。 それに対して、天下をとるまでの秀吉は、実に大らかで、他人の功名心、功利性に寛大だった。
ただし天下をとるまでの秀吉である。 天下人となった秀吉は自我肥大化して暴君になってしまった。
このように、仮に自分が部下だったらという想像力が、よき上司になるための大切な条件になるだろう。 3番目として、部下の長所を大いに認めることだ。
「豚もおだてりゃ木に登る」という向田邦子さんのセリフもあるが、やはり部下の長所を認め、誉め、育てていかなくてはならない。 私自身のサラリーマン経験からすれば、誉めてもらってこそ伸びるものだ。
これという上司に、たとえお世辞半分でも誉めてもらうことほど気分がいいものはない。 怒鳴られ、叱られ、奮闘するより、実際はクサるケースの方が多いのである。
誉め殺しならぬ、誉め伸ばしである。 豊かな時代に育った若者相手となれば、なおさらであろう。

若者がいちばん嫌うのは、威張る上司である。 そのために、部下の長所を見抜くことが大事になる。
部下というのは、だいたいはどんな上司に対しても「このバカが」と、どこかで思っているものだ。 そんななかで、つねに部下の能力を認め、伸ばしていく姿勢を持たないといけない。
4番目は、よくいわれる問題提案能力である。 これは起業家精神といってもよい。
偏差値優等生には、最も程遠い資質である。 受験秀才は、問題を解決する能力はあっても、問題をつくる能力はない。
しかも解決できるのは、かならず答えのある問題である。 ベンチャー企業で成功している人はかならずといっていいほど問題提案能力に長じている。
そしてまた、大企業においてもモノを「どうつくる」かより、「何をつくるか」が問われる時代である。 案外忘れられているが、仕事関係以外に相談する仲間とかお師匠さんを持つことも大切だ。
ブレーンなどというとちょっと生臭すぎる。 一流の女性でもいいではないか。

これはゆとりといってもよい。 また、自分のベテラン度をあまり信用してはいけない。

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